「見た目」の良さから「生涯利益」の時代へ。 2026年、アメリカで本格導入された新体型指数「HCC」のご案内
多くの酪農家の皆様が考える理想の乳牛、それは「長く稼ぎ続けられる牛」ではないでしょうか。
これまで広く利用されてきた「体型PTA」は、主に体型審査の得点をもとに作られた指数であり、必ずしも牛の寿命や収益性と一致するものではありませんでした。
そこで2026年4月よりアメリカで本格導入されたのが、HCC(Holstein Conformation Composite:ホルスタイン体型総合指数)です。HCCは「見た目の美しさ」ではなく、「長命性・健康性・繁殖性」を重視し、長く利益を生む牛を選ぶための新しい体型評価の考え方です。
【HCCが目指す「ちょうど良い」体型】
HCCは、小さすぎず大きすぎない「中程度の体格」をベースに、バランスの良い牛づくりを重視しています。
(※小さすぎる牛は乳量が不足しやすく、大きすぎる牛は寿命が短くなる傾向があるためです。)
- 体躯(42%):体は大きすぎない中程度の体格、長く働ける丈夫な体
- 乳房(38%):乳房炎リスクを軽減する浅く安定した乳房、搾乳しやすい適切な乳頭
- 肢蹄(22%):強い肢と蹄で、長く歩ける優れた運動能力
これら18の線形形質を、長命性との関連を考慮して設計しています。
【データで見るHCC採用のメリット】
従来の体型PTAでは、体型を重視するほど「繁殖性」や「生産寿命」がマイナス(負の相関)になるジレンマがありました。しかし、HCCが高い牛は健康や寿命の各指標と一貫して正の相関を示しています。
- 生産寿命が長く、更新コストを削減体型PTAでは生産寿命との相関が
-0.42だったのに対し、HCCは+0.22。牛群内で長く生産を続けます。 - 受胎率が向上し、繁殖成績を改善娘牛妊娠率や経産牛受胎率も、HCCでは正の相関へと改善。繁殖性に優れた牛群をつくります。
- 乳房炎や肢蹄病のリスクを軽減体細胞スコアと負の相関(
-0.20)を示しており、HCCが高いほど乳房の健康状態が良い傾向にあります。
【種雄牛選抜の目安(2026年4月評価)】
種雄牛(4,375頭)におけるHCCスコアの目安は以下の通りです。高スコアの種雄牛ほど、機能性に優れた体型を娘牛に伝える能力が高いことを示します。
| 評価ランク | HCCスコアの目安 |
| 上位 1% | 2.50 以上 |
| 上位 5% | 2.11 以上 |
| 上位 10% | 1.93 以上 |
| 全体平均 | 1.05 前後 |
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